WordPress のパーマリンクは、初期設定で失敗が多発するポイントの1つです。注意点、設定方法、おすすめについてまとめておきます。
以下の環境で動作を確認しています。
環境: レンタルサーバー(ConoHa VPS)、CentOS 8、WordPress 5.X
背景
サーバーをレンタルしてワードプレスをインストールし、独自ドメインの取得、サイトの立ち上げまで完了しました。
WordPress を使って記事を追加していくと、記事ごとのリンク(パーマネントリンク)はどのように設定すべきか、何が問題なのか、明確化しておいたほうがよいことに気づきます。
ネット検索をすると、断片的な情報、冗長な情報が多く、結局どうなっていればよいかわかりにくいと思いました。そこで、設定方法やおすすめのポイントを整理しておきます。
パーマリンクとは
パーマリンクとは、パーマネントリンク Permanent Link の略で、ホームページの各ページや記事に、1対1の関係でつけられる固有の URL です。
このページの場合ですと、ブラウザ上部の欄に表示されている文字列(https://~)です。
パーマリンクの設定方法
パーマリンクのフォーマットを設定する手順
① WordPress 管理画面上部の「管理メニュー」にマウスカーソルを合わせ、「ダッシュボード」を選択する。
② ダッシュボードの画面左側下「設定」(スライダー2つのマーク)にマウスカーソルを合わせ、「パーマリンク設定」を選択する。
→ 「パーマリンク設定」の画面が表示される。
③ 共通設定の中から、1つを選択し、保存する。
例えば、「投稿名」のオプションボタンをクリックし、「設定を保存」ボタンをクリックして保存する。
→ パーマリンクのフォーマットの設定完了です。
各記事のパーマリンクを入力する手順
④ WordPress 管理画面左上のホームのアイコンにマウスカーソルを合わせ、「サイトを表示」をクリックする。
→ サイトが表示される。
⑤ サイトの記事を1つ選んで「投稿を編集」をクリックする(編集画面にする)。
⑥ 「パーマリンク:」と表示されている行の「編集」ボタンをクリックする。
→ パーマリンクの表示がテキストボックスに切り替わり、編集できるようになる。
⑦ パーマリンクの文字列を書き換えて保存する。(英語表記をお勧めします。)
⑧ 必要により、他の記事についても⑤から⑦を繰り返し、パーマリンクの修正を行う。
→ これでパーマリンクの入力も完了です。
パーマネントリンクの何が難しいのか
① WordPress のデフォルト(数値)の問題
・ WordPress ではデフォルトで、パーマネントリンクが数値で設定(「基本」)されるようになっています。つまり、各記事に自動で固有の番号が振られます。
・ しかし、番号だけの管理にしてしまうと、記事が増えてきたとき、URL をみただけでは、どういったページだったか把握をすることが難しくなります。リンクなどを張ってサイトが複雑になってきたとき、リンクの張り間違い、ミスに気付きにくく、混乱が大きくなります。
・ 加えて、将来、Google Search Console などでサイトの分析の設定をすると、各記事の表示回数などのランキング結果は、サイトで設定されているパーマネントリンク(記事のURL )で表示されます。Google の仕様が URL ベースになっている、ということです。このとき、記事の URL を数値にしてしまうと、ランキングが上位、下位となっている記事がどれなのか直感的にわからなくなります。記事が増えれば増えるほど、混乱が大きくなります。
・ さらに、Google の検索サイトでは、記事の URL は数値ではなく、内容がわかりやすい記載が推奨されています。 Google が推奨している考え方(URL は、内容が推測・把握しやすい文字列にすべき)と、WordPress の設計の考え方(URL のデフォルトを数値としている)との間に食い違いがあるということです。
② 時間が経つほど修正しにくくなる問題
・ また、パーマネント(恒久的)という名前になっていますが、WordPress では後から修正できる(!)仕様になっています。
・ 記事が増え、アクセスが増えてきたあと、パーマリンクの問題(記事の URL がわかりづらい、SEO 上、適切でない等)に気づいた場合、直そうと思っても、URL を変えると、既存ユーザからのリンク、検索流入が途切れてしまうことになります。せっかくの努力が失われることになるため、後からでは変更しづらい状況に陥ります。
・ また、記事が増えたあとになって、パーマネントリンクの設定を変更しようとすると、すべての記事を設定しなおさないといけなくなるため、記事数に比例して修正が困難になります。
・ 要するに、WordPress を初めて設定する人は WordPress 自体に習熟していないため、デフォルトのまま使ってしまいやすいです。一方で、将来、検索順位が上がってきたとき、どんな問題が起こるのか想像することが難しく、サイトの記事を多数作ってしまった後で問題に気づくことになる、という矛盾があります。
初心者の多くがパーマリンクの設定で間違ってしまうと推測されますが、サイトを作り始める最初の段階で注意喚起して欲しい(注意喚起して欲しかった)ところです。
③ WordPress 側で仕様変更が生じうる問題
・ さらに、WordPress をアップデートすると(例えば、5.5以降)、WordPress のパーマネントリンクの仕様が変更となるケースが生じています。設定がうまくできなくなる等の状況が生じているようです。
・ 具体的には、仕様変更により、パーマネントリンクのカスタム設定では、post_name (投稿名)か、post_id が必須となったのことです。
バージョンアップは常時あり、仕様が変わってサイトの修正が必要になることがあります。できるだけ、将来の仕様変更を見越した対応が必要になってきます。
④ 検索サイト側(Googleなど)で生じる問題
・ パーマリンクを変更すると、各ページの URL が変更になります。
検索サイト側(Google 検索の結果)ではリンク切れが発生しうることになります。旧パーマリンクの設定は、検索サイト側にかなりの期間(数週間~数か月以上?)残ってしまうため、検索するユーザを混乱させてしまいやすいです。
・ 加えて、Google などの検索サイト側で、パーマネントリンクの書き方の推奨など、運用が変わることも結構あり、対応が求められます。
・ サイトを作っても誰も見ないのであれば、サイトを作った意味がなくなってしまいます。結局、Google の SEO 対策を考える必要が出てきます。このとき、パーマリンク設定は、Google などの検索サイトの推奨に従うのがベストということになり、検索サイト側の状況を考慮しておく必要が生じます。
WordPress のパーマリンクのおすすめ
上記の状況から、ワードプレスのパーマリンクは、シンプルに「投稿名」(「投稿名」のみ)とするのがおすすめです。
・ 理由をまとめると、Google が「シンプルなURL構造」を勧めているから、また、WordPress の将来のバージョンアップで仕様変更が生じうるからです。(上記の③と④)
WordPress の仕様からすると、post_name か post_id を使ったものである必要があり、できる限りシンプルなパーマネントリンクとしたほうが無難です。
・ また、パーマネントリンクを設定する時期は、ワードプレスのインストールが終わった時期に決める(その後は変更しない)のがおすすめです。記事を追加してしまうと、上記の②の問題が生じてしまうからです。
・ なお、「投稿名」の設定として、各記事にパーマネントリンクを実際に入力する際は、日本語を使わず、英語表記(またはローマ字表記)とすることをお勧めします。Google が英語ベースだからです。日本語を使うと化けてしまったり、無意味に URL が長くなってしまいます。他のサイトや記事で URL を引用するような場合に、非常に扱いにくくなってしまいます。
まとめ
WordPress のパーマリンクについてポイントを整理しました。
サイトの初期設定時に注意しないと、いまさらパーマネントリンクは変えたくはないのだけれども、変えなければならないといった矛盾した状況に陥りやすいです。
できるだけ記事投稿前の早期の段階でサイト設計の方針を明確化して、パーマネントリンクの設定も終わらせてしまいましょう!
なお、パーマネントリンクについて下記リンクにもまとめています。
もし関心があるようでしたら、参考にしてみてください。
関連記事
・ 【WordPress】 パーマリンクが変更できないとき【「投稿名」に変更時】
外部リンク
・ Googel検索セントラル シンプルな URL 構造を維持する