Microsoft Edge ブラウザ上で文字入力をしていると、「Tab キーを押して選択します」のポップアップが出て、画面操作の邪魔になることがあります。
このポップアップを消す手順についてまとめておきます。
環境: Windows 11 パソコン、Microsoft Edge
現象: ポップアップが画面にかぶる!
Windows 11 パソコンの Microsoft Edge ブラウザなどを使って、ウェブサイトで文字入力をしていると、カーソル近辺に「Tabキーを押して選択します」のポップアップが出てくることがあります。
ブラウザの画面上のボタンやリンクにポップアップやリストが被ると、とても煩わしいです。
また、このポップアップには、過去に入力した履歴が記録されています。このため、サイト上で入力・変換した個人情報が意図しないタイミングでポップアップで表示されることがあります。気持ちが悪いです。
操作画面上、ポップアップに保存されてしまったデータを消去する方法がわかりづらいです。
ということで、ポップアップを非表示にする方法と、過去の入力データを消す方法について、まとめておくことにします。
手順1:「Tab キーを押して選択します」を消す手順
① Windows 画面右下あたりのタスクバーで、「あ」、「A」と表示されている部分を右クリックします。
→ 「設定」をクリックします。
② 表示される「時刻と言語…」の画面で、「全般」をクリックします。(「学習と辞書」ではありません。)
③ 表示される画面を下のほうにスクロールし、「入力履歴を使用する」のつぎの行で「オン」となっている部分をクリックして、「オフ」に変更します。
④ 「システム辞書を使用する」のつぎの行で「オン」となっている部分をクリックし、「オフ」に変更します。
→ これで完了です!
手順2:過去の入力データの消し方
上記の手順では、「Tabキーを押して選択します」のポップアップを非表示にしただけです。
再度、ポップアップを表示させてみると、過去にタイピング/変換した個人情報等がパソコン内に保存された状態となっています。そこで、この辞書データ、入力履歴を削除する手順について、以下、まとめておくことにします。
⑤ ④の画面のさらに下にスクロールし、「以前のバージョンの Microsoft IME を使う」の「オフ」となっている部分をクリックし、「オン」に変更し、「OK」ボタンをクリックします。(いったん、旧バージョンの Microsoft IME に切り替える。)
※ この画面は設定を戻す際に再度使うため、画面を閉じずに開いたままにします。
⑥ Windows の画面上で1度、マウスで右クリックします。(すると、タスクバーの IME が機能する状態になる。)
⑦ 画面右下のタスクバーの部分で、「あ」、「A」となっている部分を右クリックし、表示されるメニュー上で「プロパティ」をクリックします。
⑧ 「予測入力」の欄で、「入力履歴の消去」となっているボタンをクリックし、「OK」ボタンをクリックします。
→ これで、保存されているデータは消去されます。
⑨ 開いたままにしてある⑤の画面に戻り、「以前のバージョンの Microsoft IME を使う」と記載されている部分で、「オン」になっている部分をクリックし(「オフ」に戻し)、「OK」ボタンをクリックします。
→ データの消去完了です! (これで、新しいバージョンの IME に戻る。)
少し考察:ユーザーインターフェース設計について
・ 冒頭の図のソフトウェア設計、画面設計を見て、皆様はどのように感じられますか?
下記のリンク先にも記載しましたが、ポップアップは集中の邪魔になるため、ユーザーインターフェースの設計では使用をできるだけ避けるべきと考えます(メーカー様へのお願い)。
・ 上記の②の設定画面で、「Tab キーを…」のポップアップの設定は、「学習と辞書」ではなく、「全般」のカテゴリーに分類されています。
ソフトウェアの動きからは、ユーザーの入力を「学習」して「辞書に登録」しているので、「学習と辞書」に振り分けるのが妥当と考えられます。
ユーザーインターフェース上では「システム辞書」、「入力履歴の…」といった表現が使われています。すると、何も知らないユーザーは「学習と辞書」を探しにいってしまいます。「学習と辞書」の設定欄からは、「Tab キーを…」に対応する設定欄が見つからないため、あちこち探し回る状態に陥ってしまいます。
・ または、②で「学習と辞書」をクリックし、表示される辞書データをすべて削除すれば、「Tab キーを…」の辞書データや個人情報もすべて削除できるはず、といった勘違いを生じさせやすいユーザーインターフェース設計になっているといえます。
・ Windows 11 や Microsoft Edge の自動バージョンアップなどがあると、上記の設定がデフォルトに戻ってしまうことがあるようです。
設定が戻ってしまうと再び、タイピングした内容や個人情報が知らないうちに辞書に蓄積されていくことになります。下記のサービス規約(下記の外部リンク)を参照すると、こういったデータはマイクロソフトに送信されているようにも読み取れる記載になっています。
・ 上の画像で示したように、Google 検索や YouTube の画面では、サジェスト機能のリストと「Tab キーを押して選択します」のポップアップのリストが重なって表示されます。
ところが、Microsoft Bing の検索サイトでは、サジェスト機能は働きますが「Tab キーを押して選択します」のポップアップは出ないようです。
・ また、「ぐ」と入力すると、サジェスト機能では「グーグル…」などの表示が出ますが、その上に「Tab キー…」のポップアップが出て、覆い隠されてしまいます。「う」と入力すると、「Windows …」が出てきます。
気持ちはわかるのですが、こういったソフトウェアの設計は意図的なのでしょうか。ライバル企業のサービスが不便になるように設計している? ⑤~⑨の階層も深すぎますし。。
まとめ
「Tab キーを押して選択します」のポップアップを消す手順についてまとめました。
また、過去にタイピングした情報を削除する手順についてまとめました。
他にも不要なポップアップを消す手順や、インターフェース設計などについてまとめています。関心のある方は参照してみてください。
関連リンク
・ 「Tabキーで予測候補を選択」を非表示にする
・ 「英語 のページを翻訳しますか?」のポップアップを非表示にする
・ Snipping Tool 使用時、「あ」、「A」の文字が邪魔なとき
・ ウィンドウをマウスドラッグすると他のウィンドウが最小化する機能を止める方法
外部リンク
・ Microsoft サービス規約
※ 上記の規約を確認すると、「お客様は、(略)マイクロソフトの製品およびサービスを改善するために必要な範囲で、お客様のコンテンツを使用する(略)ための(略)知的財産権のライセンスを無償で許諾するものとします。」と記載されています。
すると、「Tab キーを押して選択します」の欄に、個人情報を含むデータが登録されている場合、こうした情報についても使用を許諾していると読み取ることができる記載になっています。たとえば、住所や氏名などのリストが、ChatGPT のようなサービスの機械学習のための教師データとして使われたとしても、無償で許諾をしたものと解釈できる記載になっています。企業側からすると、ユーザーの情報をできる限り上流で取得したいという状況も推測できます。(Google の検索サイトで情報を取得される前段で、Microsoft の IME 側で情報を取得しようとしているかのような設計になっていると思われます。)
こういった内容について、指摘や注意喚起をしているサイトを見たことがないため、このサイトで明記・公開しておくことにします。