Raspberry Pi にリモートデスクトップで接続する

Raspberry Pi

Windows 標準のリモートデスクトップ接続で Raspberry Pi を使う設定手順についてまとめておきます。

以下の構成で動作を確認しています。
構成:
・ Windows パソコン
・ Raspberry Pi 3 model B+ (buster、および、bullseye)
・ LAN ネットワーク(Windows パソコンと Raspberry Pi は LAN ネットワークに接続ずみ)

背景 ラズベリーパイをリモート接続で使いたい

Raspberry Pi を持っているとき、通常使用している Windows パソコンから、リモートデスクトップで Raspberry Pi にアクセスできるととても便利です。

Windows パソコンからそのまま Raspberry Pi の操作が可能になり、Raspberry Pi 側では、モニターやキーボードを準備する必要がなくなります。
Raspberry Pi にはすでに Wi-Fi の機能は実装されているので、電源とリアルタイムクロック程度をつなぐだけで通常必要な機能はすべて使えるようになります。簡単に、リモート開発環境が実現します。

Windows などのパソコンから遠隔操作をする方法には、VNC (Virtual Network Computing) を使う方法と、従来の xrdp を使う方法の2つがあります。

ネット検索をすると、最近の VNC を使う方法が出てきます。ところが、設定手順が長く、Windows パソコン側にアプリをインストールする必要が出てきます。いつもメインで使用しているパソコン側の環境を汚すのは、できるだけ避けたいです。
また、新旧の Raspberry Pi も複数使っており、Linux を最新版にすべて入れ替えるのも煩雑です。
VNC にせよ xrdp にせよ、いずれかの OS 側にソフトウェアをインストールしないとダメなことには変わりがないようです。(できれば何もインストールせずに使いたいですけれども。。)

そこで、Raspberry Pi (bullseye および buster のいずれも)に従来どおり xrdp をインストールしてみたところ、とくに問題なく動きましたので、手順についてまとめておきます。

手順

① あらかじめ、Raspberry Pi がネットワークにつながるよう設定しておきます。(Wi-Fi 設定など。)
② Raspberry Pi でターミナル(LXTerminal)を起動し、以下を実行します。

$ sudo apt-get install xrdp

→ y/n が聞かれたら、y をタイプします。

$ sudo service xrdp restart

② Raspberry Pi の IP アドレスを確認しておきます。
画面右上の Wi-Fi のマークにカーソルを合わせると、IP アドレスが表示されます。
例 wlan0:   Configured 192.168.5.32/24

③ Raspberry Pi を再起動します。

$ sudo shutdown -h now

④ Windows パソコン側で、左下の「ここに入力して検索」欄に「リモート」と入力し、表示される「リモートデスクトップ接続」のアイコンをクリックします。
⑤ 「コンピューター(C):」の欄に、②で確認した IP アドレスを入力し、「接続」をクリックします。
例 192.168.5.32
⑥ 初回アクセス時は「このリモートコンピューターの ID を識別できません。接続しますか?」の表示が出ます。
内容を確認し、「このコンピューターへの接続について今後確認しない」にチェックを入れ、「はい」をクリックします。
⑦ Raspberry Pi の username と password が求められるので入力します。
※ ここでの username と password は、Raspberry Pi の起動用の SD カードを作成して初めて起動したときに設定した username と password です(下記の関連リンク参照)。

→ リモートデスクトップで Raspberry Pi にアクセスできたら、完了です。

※ なお、⑦で “login failed for display 0” が表示されたときは、username、passoword が間違っている場合が大半だと思います。

うまく動いたら: よく使うファイルのコピー&設定をやってみましょう!

うまく動いたら、よく使う音声ファイル、プログラムなどをリモートで設定してみましょう!

Windows パソコンと Raspberry Pi 間でデータを移すことも簡単です。
手順は、まず、Windows パソコン側でファイルを選択し、コピーします。その後、Raspberry Pi のリモートデスクトップの画面に移り、「貼り付け」を実行するだけでデータを移行できます。
例えば、Windows パソコンなど日頃使う環境でよく聞く音楽ファイルがある場合、Raspberry Pi にリモートでコピーして、Raspberry Pi 側で再生してみてください。
よく聞く曲をフォルダに入れておくと、指定時刻に自動再生するようにするなど、リモートで環境構築することが可能です。設定方法を関連リンクにまとめておきます。

なお、OS が異なると、漢字や改行文字は、場合により修正が必要になることがあります。
異なる OS 間でファイルをやり取りする場合は、ファイル名やフォルダ名は半角英数字にしておくと無難です。
また、Windows パソコンで複数のリモートデスクトップを起動することで、同時に、複数の Raspberry Pi にアクセスすることも可能です。
複数の Raspberry Pi にアクセスすると、上記の要領で(Windows のクリップボードを経由して)、複数の Raspberry Pi 間でデータをコピー&ペーストすることが可能です。簡単に、作ったプログラムや開発環境を丸ごと移植することが可能となり、とても便利です。
なお、Raspberry Pi 上で、自作したスクリプトを入れるフォルダを決めておくと便利です。うまく動いている Raspberry Pi のフォルダをコピーして、他の Raspberry Pi に移植する、また、Windows 側でバックアップを取っておく等も容易となります。作ったスクリプトや環境を、異なる OS 間、異なるデバイス間で自由に流用でき、活用の幅が広がります。

まとめ

Raspberry Pi にリモートデスクトップで接続する設定手順についてまとめました。

これで、リモート接続で自由に Raspberry Pi を操作できるようになりました。
機械学習や Web サーバーなどの検討が、リモート開発環境でも簡単に進められます。音声再生や定型作業の自動化を進めることも可能です。

なお、リモートデスクトップの設定が終わったら、Raspberry Pi の電源についても自動起動、自動シャットダウンできるようにしておくと、完全なハンズフリーとなってとても便利です。下記の関連リンクに設定の一例をまとめています。関心のある方は参照してみてください。

関連リンク
・ 起動用SDカードを設定する 【Raspberry Pi】
・ 固定IPアドレスを設定する 【Raspberry Pi】
・ Raspberry Pi を自動で起動、シャットダウンする
・ フォルダ内のすべての音声・動画ファイルを再生する 【Raspberry Pi】

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・ Raspberry Pi 4 Model B 8GB
・ Raspberry Pi 4 Model B 4GB

 

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