Webサーバー関連技術に関し、最近、出版された書籍のご紹介です。
最近何冊か技術書を読んでいますが、読んでいて、「うまくまとまっているな」、「なるほど」と思った部分がけっこうありましたので、ピックアップします。
おすすめ書籍ピックアップ
クラウド時代のネットワーク入門 要素技術、設計運用の基本、ネットワークパターン
2021年の2月に出版された最近の本です。
200ページ少々の分量で、専門家向けではなく、初心者向けの入門書となっています。
全体を通し、図表をたくさん使い、平易に書かれています。
サーバーの勉強をしようと思っている方、レンタルサーバーを契約しようかなと検討されている方にちょうどよい内容だと思います。
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Chapter 1 は、ネットワークの全体像と種類となっています。LAN/WAN といったネットワーク、インターネットの構成などを図表をたくさん使って解説されています。
Chapter 2 は、TCP/IP、IP アドレス、ネットワークアドレスなどについて解説されています。
自宅で、ルーターなどのネットワークの設定、Wi-Fi のアクセスポイントの設定などをする際、よく出てくる技術が解説されています。
MAC アドレスの仕組みや、Windows パソコンで確認するためのコマンドについても、わかりやすくまとめられています。
Chapter 3 は、Webを実現する技術についてです。
クライアントとサーバー、Web サーバー、HTTP、HTTPS、SSL 証明書、URL/DNS について書かれています。また、ドメイン、DNS についてもまとめられています。
私の場合、以前レンタルサーバーを借りてWebサイトを動かそうと思ったとき、また、ドメインを決めたとき、適切な教科書が手元にありませんでした。結局、ネットを調べまくることになりましたが、この本では、こうした Webサーバーに関する基本的な事項がうまくまとめられています。
何かあるごとに数日ググっていた時間を考えると、先にこの本を読んでいれば、時間の節約になったと思います。
Chapter 4 は、ネットワーク機器の種類となっています。
ルーター、スイッチ、ファイアウォールなど、よく出てくる機器の観点から、ポイントが整理されています。
Chapter 5 は、インターネットサービスの基盤として、クラウドについて記載されています。
IaaS、PaaS、SaaS から、AWS、Azure、Google Cloud Platform、Heroku、Kinote など、レンタルサーバーを契約する際にもよく見かける技術の解説となっています。
Chapter 6 は、ネットワークの設計と構築、Chapter 7 は、運用とセキュリティ、です。
実際に物理サーバーやクラウドサービスを導入された経験、保守をされた経験に基づいた記載となっています。とても平易に書かれていますが、実際の実務経験がないとなかなか書けない内容だと思います。
Chapter 8 は、ネットワークのパターンです。自宅ネットワークと会社ネットワークを実際に見てみるところから説明をされています。過去、よく聞いたキーワードが盛り込まれて、まとめられているので、過去の経験がつながって理解が深まると思います。
なお、書籍のタイトルは「クラウド時代の…」となっていますが、クラウドについて書かれているのは Chapter 5 と 6 の後半あたりです。そして、実務家向けというよりは初心者向けの記載となっています。最近の出版業界の商業的な事情から、このようなタイトル付けにされたのかなと推測します。「クラウド時代の」を削除すると他の書籍に埋もれてしまいそうですし。
しかし、最近のWeb系技術の基礎について平易に解説されているという点で、とてもうまくまとめられていると思います。
この本の使い方としては、VPS などのレンタルサーバーを契約して設定するとき、わからない用語を調べて読みながら、設定を進めていくと理解が深まると思います。特に技術を独学で勉強していて、周りに先生や経験者がいないときは、有用だと思います。
また、ラズベリーパイなどで自宅や会社のローカルネットワーク内で Web サーバーを動かす際も、コマンドを打っているだけでは意味がわからないところも多々あると思います。そこで、このような書籍があると、サーバーやクライアントの動きがとてもよくわかり、腹に落ちると思います。
まとめ
最近読んだ本でWeb サーバー関連でよくまとまっているなと思った書籍がありましたので、紹介しました。
なお、同じ分野で最近読んだ本では、「Web系エンジニアになろう」もありました。こちらの本は、技術がよく理解できるというよりは、Web系業界の状況や考え方を広くまとめた内容になっています。
「クラウド時代の…」は、日ごろよく目にする技術用語やサーバー関連技術がよく理解できるという点でおすすめです。読書の秋でもありますし。
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