よく使う conda コマンドのまとめ 【仮想環境】

programming Python

仮想環境の分野でデファクト標準になっている conda について、よく使うコマンドをまとめておきます。

以下の環境で動作確認をしています。
環境: Windows パソコン、Anaconda (conda 4.10 以降)、Python 3

背景 ~ 仮想環境を活用しましょう!

パソコンに Anaconda (conda 環境)をインストール・設定しておくと、通常使用しているパソコン環境を極力汚さずに、ソフトウェアの設定などができてとても便利です。
また、Python、numpy、sckit-learn、Tensorflow、pygame などを使って技術検討をするとき、最新バージョンの組み合わせでは正常に動かなくなることがあります。
このとき、仮想環境を使うと、各プログラムの新旧バージョンの組み合わせを変えて新たな環境を作り、各環境を使いわけることが可能になります。

仮想環境を使う場面では、Anaconda Prompt を起動して、このプロンプト上で仮想環境を簡単に、作成、切り替え、削除できます。また、Python などで作ったプログラムは、バッチファイルから仮想環境を呼び出して実行するなどにより、簡単に活用することができます。
ということで、よく使う conda のコマンドについてまとめ、公開しておくことにします。

よく使う conda コマンド一覧

よく使うコマンドはつぎのとおりです。通常の使用であれば、ほぼ、これらのコマンドで足りると思います。

コマンド 説明
conda info -e
仮想環境の一覧表示
すでに設定されている仮想環境の一覧を表示する。
base 等の仮想環境の一覧が表示される。
conda/anaconda の環境確認を行う。
conda list


参考(番外):

pip list
パッケージ一覧の表示
現在の conda の仮想環境にインストールされているパッケージとそのバージョンをリスト表示する。
参考(番外):
なお、conda install ではなく pip でインストールしているパッケージを確認する場合は、”pip list”、”pip freeze” 等とする。環境によっては pip3 … とする。
個別のパッケージの詳細を表示する場合は、”pip show tensorflow” 等とする。
conda create -n [作成する新たな仮想環境] --clone [コピーする仮想環境]

例:

conda create -n env01 --clone base
仮想環境のコピー
すでに設定してある仮想環境をコピーして、新たな仮想環境を作る。

例:
仮想環境 [base] をコピーして、新たな仮想環境 [env01] を作成する。
conda create -n env01
仮想環境の新規作成
仮想環境 [env01] を新たに作る(何もパッケージは入れない)。
conda create -n env01 anaconda
Anaconda のパッケージを入れての仮想環境作成
Anaconda の標準パッケージ(だけ)を入れて、新たな仮想環境 [env01] を作る。
標準パッケージには、python、numpy、pip、flask、scikit-learn などが入っている。
conda create -n env01 python=3.5
Python を入れての仮想環境の新規作成
python 3.5.X のパッケージ(だけ)を入れて、新たな仮想環境 [env01] を作る。
conda remove -n [削除する仮想環境] --all

例:

conda remove -n env01 --all
仮想環境の削除
指定した仮想環境を削除する。

例:
仮想環境 [env01] を削除する。
conda activate [有効にする仮想環境名]
conda info -e

例1:

conda activate env01

例2:

conda activate base
仮想環境のアクティベート
指定した仮想環境を有効に設定する。
有効となっている仮想環境を表示する(* マークで表示される)。

例1:
仮想環境 [env01] を有効にする。
例2:
仮想環境 [base] を有効にする。
conda deactivate [無効にする仮想環境名]

例:

conda deactivate env01
指定した仮想環境を無効にする。

例:
仮想環境 [env01] を無効にする。

conda update -n base conda
conda のアップデート
conda 自体をアップデートする。
conda --version

または

 conda info 
conda /Anaconda のバージョン確認
conda のバージョンを表示する。
詳細を表示する場合は、”conda info” とする。

仮想環境の活用ポイント

仮想環境(conda)を使うにあたり、典型的な活用ポイントをまとめておくことにします。
バージョン管理は混沌となりやすいですが、狙いを明確化しておくことで、判断・行動を明確化できると思います。

現在の開発環境を汚したくない

・ 現在の開発環境、パソコン環境について、できる限り汚れないようにしたい。
・ 購入直後のパソコンの状態、ソフトウェアのインストール直後・設定直後の状態をできるだけ維持したい。
・ ソフトウェアを際限なくインストールしていくと、開発環境が次第に重くなってシステムが不安定になってしまう。こうした問題を最小化したい。

簡単にテストしたい/簡単に捨てたい

・ 新たなソフトウェアを気軽にインストールして、テストできるようにしたい。
・ 現在のハードウェア環境で、新たなソフトウェアが正しく動くのかどうか確認したい。
・ すでに使っているソフトウェアの最新バージョンがリリースされたとき、気軽にインストールして、最新版でも動くことを確認したい。
・ 複数の環境、異なるバージョンを使う必要があるとき、複数のパソコンを使いたくない。
1台のパソコン(最小限のハードウェア)で間に合わせたい。
・ ソフトウェアをインストールして、もしシステムが不安定になったとき、環境をもとに戻したい。
他への悪影響を最小化したい。
・ ソフトウェアを気軽に試してみて、使えないとわかったとき、ダメだったとき、簡単に、かつ、完全にソフトウェアを削除したい。

バージョン管理を確実にしたい

・ ソフトウェアのバージョン管理をしたい。インストールしたパッケージの管理を確実にしたい。
・ 将来、新たなパソコンに環境構築をするとき、できる限り同一の環境を構築できるようにしたい。
・ 機械学習の環境構築などで、バージョン設定の条件が厳しいとき、その環境を特別に設定、維持したい。
・ インストールマニュアルや仕様書等にバージョンが記載されているとき、同一の環境を構築したい。すでに動作確認が取れているバージョンの組み合わせで環境構築をしたい。
・ 開発環境の構築、再設定に要する時間、手間、試行錯誤を最小化したい。
・ 各開発担当者、各技術検討項目ごとに環境を使い分け、バージョン管理、開発環境の管理を確実なものにしたい。
・ ソフトウェアの各新旧のバージョン、またそれらを組み合わせた環境下でも、開発したプログラムが確実に動くことを評価したい。

まとめ

conda でよく使うコマンド(仮想環境の環境確認/設定/削除、有効/無効の切り替え)についてまとめました。

他にも、Anaconda/conda の便利な使い方などをまとめています。
もし関心があるようでしたら、関連リンクなども参考にしてみてください。

関連リンク
・ Python, OpenCV, Tensorflow のバージョン確認方法
・ バッチファイルで Anaconda から Python を実行する方法 【Windows】
・ バッチファイルで Flask を起動する 【Windows & Anaconda】
・ Git のインストール手順 【Windows】
・ Anaconda 環境で Pygame をインストールする手順【Python】
・ YOLOv5 のインストール手順 【Windows & Anaconda】
・ 仮想環境での OpenCV のインストール方法 & エラー時の対処方法 【Anaconda】
・ すでにインストールされているパッケージを確認する 【Linux】
・ オープンソースに関するまとめ 【ライセンス戦略】

外部リンク
・ Conda コマンド:https://www.python.jp/install/anaconda/conda.html
・ Distribution | Anaconda

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