“/usr/bin/env: ‘python\r’: そのようなファイルやディレクトリはありません”と表示されたとき【Raspberry Pi】

Windows で作成した Python のスクリプトを Raspberry Pi (Linux) に移植したところ、冒頭のエラーが出ました。
異なる OS 間でスクリプトを移植した際に生じる典型的なエラーについて、現象と対処方法をまとめておきます。

環境：
・　Windows パソコン、Python 3.X
・　Raspberry Pi 3 model B+、buster、Python 3.X

背景

Python には標準で、Webサーバーの機能があります。
先日、Windows で Webサーバーのスクリプトを作成し、スタンドアロンで Webアプリが動くようになりました。
１台のパソコン上ではうまく動いたので、さらに発展させたいところです。

具体的には、自宅内のネットワークにつなげた Linux (Raspberry Pi) にこのスクリプトを移植して Webサーバー化し、Windows など他のパソコンからアクセスできるようにすることで、Webアプリを運用、発展させていきたいところです。

そこで、Windows で動いていた Python のスクリプトを Linux に移したところ、いくつかのエラーが出ました。
設定の修正等をしたところ、自宅内で Webサーバーが動くようになりましたので、ポイントをまとめておきます。

なお、テストに使ったサンプルは、末尾の関連リンクで作成していたスクリプト（簡易計算機）などです。

エラー表示と対処方法

現象１：ブラウザから Webサーバーにアクセスすると 403 エラーが出る

手順概要
①　Raspberry Pi 上でドキュメントルート（公開フォルダ）として使用するフォルダを作成する。
例： /home/pi/web_server1/
②　このフォルダにさらに cgi-bin という名前でフォルダを作成し、cgi-bin 内に Windows で作成した Python のスクリプト（★.py）をコピーする。
例：/home/pi/web_server1/cgi-bin/calc1.py
③　Raspberry Pi のコンソールを起動し、ドキュメントルートに移動して、Web サーバーを起動する。
cd home/pi/web_server1/
python3 -m http.server 8000 –cgi
④　Webサーバーの起動後、ローカルネットワーク内で接続されている Windows パソコンの Microsoft Edge ブラウザから、”192.168.x.x:8000/cgi-bin/★.py” （アドレス等は参考例）にアクセスする。

結果
以下のエラーが表示される。
①　Web サーバー側(Raspberry Pi, Linux) の表示
“code 403, message CGI script is not executable (‘/cgi-bin/★.py’ ) ”
②　ブラウザ側（Windows パソコン, Microsoft Edge）の表示
Error response
Error code: 403
Message: CGI script is not executable (‘/cgi-bin/★.py’ ).
Error code explanation: HTTPStatus.FORBIDDEN – Request forbidden — authorization will not help.

原因
スクリプト（★.py）を実行する権限がクライアント（Windows）側に与えられていない。そのため、cgi を実行できない。
対処方法
①　cgi-bin フォルダに移動して、ls -al を実行してファイルと権限を確認する。
②　”chmod 755 ★.py” を実行し、実行権限を設定する。
③　ls -al を実行して権限が修正されたことを確認した後、再度、ブラウザで Web サーバーにアクセスして動作を確認する。

現象２： Webサーバーにアクセスすると、”/usr/bin/env: ‘python\r’: そのようなファイルやディレクトリはありません”のエラーが出る

原因
Windows の改行コードが Linux の改行コードとは異なるため、Python のスクリプトが正常に読み込めない。

対処方法
①　Raspberry Pi の cgi-bin フォルダ内で、新たにテキストファイルを作る。
②　そのテキストファイルに、Windows から移植したスクリプトファイル（★.py）の内容をコピー＆ペーストし、ファイル名も変更してファイルを差し替える。
③　再度、ブラウザで Webサーバーにアクセスして、動作するかどうかを確認する。

→　Python のスクリプト（Webサーバー）が正常に動作しました！（私の環境では）

まとめ

Python のスクリプトを Windows から Linux に移植したとき、よく生じるエラーと対処方法についてまとめました。
「そのようなファイル…はありません」という表現が不正確だと思います。エラー表示を見たとき、ロジカルに矛盾しているため、余計な混乱を招くと思います。
「そのようなファイル…にアクセスできません／読み込めません」なら、対処方法がイメージしやすいのですけれども。。